生理前や生理中、肌荒れがひどいのはなぜ?肌荒れと生理の関係とは?

生理によって肌荒れを引き起こす……?

 

生理前や生理中に、お化粧のノリが悪くなったり、ニキビがよくできる……そういった経験をしたことはありませんか?この時期に肌荒れに悩まされる女性は多いと思います。
ただでさえ不快な症状に悩まされているのに、さらに肌荒れもとなると気分も沈みますよね。
そこで今回は、生理前や生理中の肌荒れについて、原因と対策をまとめてみました!

◎生理中の肌荒れはPMS症状の一つ

PMSとは、生理が始まる一週間位前から起こり始める様々な不調のことをいいます。
PMSの症状には「体調面」と「精神面」の2つの症状があります。

・体調面の不調
頭痛、腹痛、吐き気、肌荒れ、浮腫み等
・精神面の不調
抑うつ、不眠、仮眠、イライラ等

他にも症状は多々あり、程度も人それぞれです。

◎生理前の肌荒れは女性ホルモンの仕業!

生理前の肌荒れは、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンによって引き起こされます。
女性の体は月経期ー卵胞期ー排卵期ー黄体期ー月経期ー卵胞期……」と、およそ28日を1クールとして繰り返しています。この周期に合わせて女性ホルモンのバランスも変化しているのです。
エストロゲンは女性の様々な機能を整える働きがあり、「女性らしさ」をつくるホルモンと言われています。生理後から排卵までの間で分泌量が増えますが、このおかげで肌にツヤやハリが出てくるのです。
生理が始まる直前の7日間は黄体ホルモンの分泌量が最も多くなる「黄体期後半と呼ばれます。この「黄体期後半」は、生理直前の不調期です。黄体ホルモンの影響でお肌はオイリーになるので、ニキビなどの吹き出物が出来やすくなり、紫外線にも過敏になるのでシミやそばかすも出来やすくなります。身体もむくみやすくなり、心は揺れやすい不安定な時期といえるでしょう。

◎なぜ生理前になると肌トラブルが起きるのか

黄体ホルモンには皮脂を増加させる作用があります。そのため、生理前に黄体ホルモンの分泌量が増えることで毛穴に皮脂が溜まりやすくなり、ニキビや肌荒れの原因となるのです。
生理前になると、ニキビや肌荒れを起こすという人は、黄体ホルモンの影響によるものかもしれません。

また、肌荒れはお肌のバリア機能の低下によっても引き起こされます。お肌のバリア機能とは、水分と油分のバランスによって保たれている皮膚を外部刺激から守る機能のことをいいます。

生理前は乾燥しやすく皮脂の分泌が盛んなので、お肌のバリア機能が弱まり、お肌が敏感になっている状態です。

つまり、普段よりも刺激に弱いお肌になっていて、トラブルを引き起こしやすくなっているのです。

◎生理前のスキンケアは「慎重に」が基本!

生理前の肌荒れには女性ホルモンが大きく影響しています。生理後の「エストロゲン」優勢の時期と、生理前の「プロゲステロン」優勢の時期ではお肌の状態が異なるので、いつも同じスキンケアをしているという方は要注意ですよ!生理前はいつも以上にスキンケアには慎重になる必要があります。

生理前の肌荒れを改善するには女性ホルモンの働きから、スキンケア自体を変える必要があるのです。
生理周期によってスキンケアを変えることで、より美しい美肌に近づくことができます♪そこで、生理周期を28日間とし、生理前や生理後などのお肌の状態の変化をまとめてみました♡

・月経期
生理開始から生理が終わるまでの期間
・卵胞期
生理が終わってから排卵日までの期間
・排卵期
排卵日周辺の時期
・黄体期
生理前の時期

上記の期間ごとに、お肌の状態や適切なスキンケアはそれぞれ異なっているのです。

「月経期」はお肌が乾燥しやすくなる時期。

月経期はお肌が乾燥しやすくなる時期です。また、生理中は血行が悪く体温も低くなりがち。新陳代謝も滞りやすくお肌のターンオーバーが乱れてしまいます。
この時期には半身浴等で血行を良くし、お肌の新陳代謝を促すとともに、保湿ケアを重点的に行うと良いでしょう。

「卵胞期」はお肌の絶頂期☆特別なケアはこの時期に!

卵胞期はエストロゲンが多く分泌される次期なので、お肌の調子がかなり良くなります。
エストロゲンの働きには主に次のようなものがあります。

・水分代謝を促す
・脂肪代謝を促す
・コラーゲンやエラスチンの生成を促進する

このような働きにより、浮腫みやくすみもなく、お肌や髪も潤いツヤツヤになります。お肌のコンディションが最高の状態にあるので、特に念入りにケアしなくてもこのコンディションが保てるので、スペシャルなケアで一歩先のお肌を目指すには最適な時期といえるでしょう。
また、お肌が強い状態なので、新しい化粧品を試すのにも適しています。

「排卵期」はお肌トラブル導入の時期

排卵日を過ぎると、徐々にお肌のコンディションは落ちていきます。排卵期はお肌の状態が低下し始める導入期といえます。
排卵日以降はプロゲステロンが分泌されるので、肌荒れに悩まされることが増えてきます。
プロゲステロンの働きには次のようなものがあります。

・水分を溜め込む
・脂肪を溜め込む
・皮脂分泌の促進
・メラニン色素の生成

このような働きにより、黄体期になると浮腫みやくすみ、ニキビなどのお肌トラブルを抱えやすくなるのです。
排卵期では、まだ表面にお肌トラブルが出てきていないことが多いですが、お肌の奥が乾燥し始め、肌荒れの準備は整い始めているのです。
この時期はお肌の保湿を念入りに行い、バリア機能を整えましょう。

「黄体期」はお肌のトラブル期。肌荒れには「保湿」

 

黄体期は生理開始前の様々な症状に悩まされる時期で、お肌トラブルの絶頂期です。
肌荒れがひどいこの時期は、皮脂分泌が激しくなっています。過剰なスキンケアは避け、また、オイル製のスキンケア商品は使用しない方が良いでしょう。この時期は皮脂の分泌亢進により、お肌の水分と油分のバランスが崩れ、お肌のバリア機能も弱まっています。よって、さらに肌荒れを引き起こしやすくなっているのです。

この時期のお肌には、さっぱりタイプのスキンケア商品で保湿し、乳液やクリームで蓋をする程度で十分です。
肌荒れをしているからと、新しいスキンケアを試すと、刺激となる可能性もあります。この時期は「保湿」を重点的に行い、基本のケアに抑えて余計な刺激を与えないようにすることが大切です。

生理前・生理中の肌荒れ対策は?

生理前や生理中の肌荒れを防ぐには、エストロゲンとプロゲステロン、それぞれの分泌量のバランスを整えることが大切です。日頃の生活習慣を見直すだけでも、生理前・生理中の肌荒れを防ぐことができますよ♡

◎質の良い睡眠をとる

「睡眠」は健康を維持する上で必要不可欠。睡眠不足だとエストロゲンが不足し、更にお肌のコンディションが悪くなるのです。ホルモンバランスを整えるために、日頃から十分な睡眠時間を確保しておきましょう。
しかし、せっかく睡眠時間を確保してもなかなか寝付けなかったり、眠りが浅かったりすると十分な効果は得られません。

睡眠前に軽くストレッチをしたり、お気に入りのアロマオイルを取り入れてリラックスしておくと睡眠の質を高められます♪寝る前はスマートフォンやパソコンの画面を観ないようにして、部屋もできるだけ暗くするなど、睡眠環境を整えることもポイントです♡

◎栄養バランスのとれた食事

肌の健康は食事から作られているといっても過言ではありません。糖質や脂質の多い食事は控え、野菜を中心とした栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

豆腐や納豆などの大豆製品に含まれる「大豆イソフラボン」は女性ホルモンをコントロールする働きがあり、生理前の不調や更年期障害に効果があると言われています。また、イワシやバナナなどに含まれるビタミンB6はエストロゲンの働きを活発にする働きがあります。

アーモンドなどのナッツ類やオリーブオイルに含まれるビタミンEは細胞膜の酸化を防いでくれるなど、肌を守ってくれる食材なのでオススメですよ♡

◎ストレスを溜めない

ストレスは女性ホルモンのバランスを乱す大きな原因の一つになります。女性ホルモンはステロイドホルモンの一種です。ステロイドホルモンには、女性ホルモンの他にも「コルチゾール」があり、コレステロールから合成されています。

コルチゾールとは副腎から分泌されるホルモンで、ストレスが多い時に必要量が高まります。
よって、ストレスがかかるとコレステロールはコルチゾールの合成に傾いてしまい、女性ホルモンのバランスが崩れてしまうのです。また、過度なストレスは血流を悪くして、皮脂を過剰に分泌させるなどの影響があり、肌荒れを始めとした様々な不調が起きてしまいます。
普段からストレスを溜めない生活を心がけ、体を動かしたり、好きな音楽を聴いたりと、自分なりのストレス解消方法を見つけると良いでしょう。

◎適度な運動を

適度な運動は自律神経の働きを整え、ホルモンバランスを整えます。ストレス解消にも繋がるので、簡単な運動を日常生活に取り入れるようにしましょう。

◎ピルを服用する

女性ホルモンをコントロールする方法として、低用量ピルを服用するという方法があります。
ピルの服用は避妊のため、という印象が強いと思いますが、生理前の症状にも効果があるのです。ピルを服用すると女性ホルモンを薬でコントロールできるので、効果が分かりやすいのも特徴です。
婦人科等で症状を伝えると処方してもらえるので、興味がある方は試してみても良いかもしれません。(ピルには副作用や将来的なリスクになることもあるので、それを念頭にいれて服用しましょう。)

生理前・生理中の肌荒れの解消方法は?

では、生理前や生理中で肌荒れが起きているときはどういったスキンケアをすれば良いのでしょうか?
生理前・生理中の肌はバリア機能が低下しているのでスキンケアをするときは注意が必要です。肌が敏感になっているので新しいスキンケア用品を試すようなことはせず、自分の肌に合う、使い慣れたスキンケア用品を使うようにしましょう。エステなどの特別なケアも控えた方が良いでしょう。この時期には肌を労わる「洗顔」「保湿」「紫外線対策」を行うようにすることが大切です。

◎洗顔

肌が脂っぽいからといって過剰な洗顔は辞めましょう。乾燥を招き、かえって皮脂の分泌を促します。洗顔は朝と晩の1日2回、たっぷりの泡で優しく丁寧に汚れを落とすようにします。洗い残しがあると肌荒れを悪化させるので、すすぎは念入りにしましょう。

◎保湿

生理前や生理中の肌荒れでニキビや吹き出物が出来ている場合でも、きちんと保湿をしてあげましょう。肌が脂っぽくても保湿をしないと、さらに乾燥して肌のバリア機能を低下させてしまうからです。保湿する際は、クリームなどの油分の多いものは避け、化粧水や乳液を使うのがオススメです☆

◎紫外線対策

生理前や生理中は肌のバリア機能が低下しているため、紫外線の影響を受けやすくなっています。紫外線で刺激されると肌荒れを悪化させてしまうので、紫外線対策は怠らないようにしましょう。肌が敏感になっている時期なので、できれば低刺激で洗い落としやすい日焼け止めを使いましょう。肌の露出も控え、帽子をかぶったり、UVカットのサングラスやカーディガンを着用するのも効果的ですよ♡

生理前・生理中は化粧ノリが悪くなる!メイクにも注意

生理前や生理中は化粧ノリが悪くなる!という方も多いのではないでしょうか。生理前・生理中の化粧ノリが悪い原因には次のような理由が考えられます。

・皮脂分泌量が多い
・肌が荒れている

生理前や生理中になると、普段のメイクでは刺激が強すぎる場合があります。メイクのせいで肌荒れを悪化させてしまうこともあるんですよ。

少しの工夫で改善できる!!

この時期の肌荒れは仕方がないのですが、少し工夫をすれば、普段のお肌に近づけることは可能なのです♪

・さっぱりタイプのスキンケアアイテムも使う

生理前や生理中は皮脂の分泌が多くなっているので、お肌に余分な油分を与えない方が良いでしょう。
しっとりタイプや油分が多いスキンケアアイテムを使用すると、さらにお肌に油分を補給することになります。すると、化粧ノリが悪いだけでなく、化粧崩れにも繋がります。

・リキッドではないファンデーションを選ぶ

普段はリキッドタイプのファンデーションを使用していても、生理前や生理中は粉タイプやミネラルファンデーションを使用すると良いでしょう。余分な皮脂を吸収してくれるファンデーションもあるので、この時期のみ使用してみても良いかもしれませんね♪
ベースメイクを軽めにして、ポイントメイクは発色の良い物を使ったりするなど、肌の状態に合わせたメイク方法を見つけてくださいね♡
メイクに使うスポンジやブラシなども常に清潔にしておくことを忘れないようにしましょう。

定期的にくるトラブル期と上手に付き合おう

生理前や生理中は気分が沈みがちになるもの。しかし、肌荒れがひどいからと悩んでいると、それがストレスになり、肌荒れを悪化させてしまうという悪循環に陥ってしまいます。肌荒れは一時的なものと考えて、暗い気持ちになり過ぎないようにしましょう。
日頃の生活を改善しながら、少しずつ肌の調子を取り戻していってくださいね♡